同人ソフトのパッケージングに関するノウハウ
コミックマーケット102まで1ヶ月を切りました。
参加サークルの皆様、進捗はどうですか?
当サークルは「CELIA for MSX2」が絶望的なくらい赤信号が点ってます(T_T)
今回は、これからX68000Z用同人ソフトを作ろうと考えている人や、過去に同人ソフトを頒布していた同人サークルの為に、先日頒布を開始した「CELIAおかわりっ!for X68000Z」を作るにあたって調べた情報を共有したいと思います。
製品に必要なもの
パッケージ
当サークルの「CELIAおかわりっ!for X68000Z」の他、幾つかのX68000Z用ソフトでも使われているパッケージがこちらです。
SDカードをしっかりとホールドしてくれる上に、ケースの外側に市販ソフトのようにジャケット(インレイ)を差し込めます(詳細は後述)。リンク先は100個セットですが、25個セットもありますので、お試しであれば25個セットにしましょう。
シュリンクフィルム
SDカードをケースに入れただけでは市販ソフトっぽさが足りませんよね。そこで活躍するのがシュリンクフィルムです。
これを使うと、ケースを市販ソフトのようにフィルム包装する事ができるので、PPプラケースと一緒に購入する事をおすすめします。
ドライヤーの温風をあてる事により、シュリンクフィルムが収縮してピタッとシュリンクすることができます。シュリンクフィルムの開口部は、ドライヤーの温風をあてる前にシーラーで閉じましょう。
印刷物
当サークルでは、印刷物は主に東京カラー印刷様を利用しています。納期に余裕があれば比較的低コストで印刷できる点が理由です。
昨年までは激安価格だったのですが、直近の値上げで他社との価格差が小さくなってしまったのが非常に残念です(それでも結構安いです)。
東京カラー印刷様で印刷する際は、出荷日を7営業日にすれば最安値で印刷できます。
ジャケット(インレイ)
ジャケット(インレイ)はA4判で収まります。
注文時は「A4判/コート紙/90kg/片面フルカラー」を選択しましょう。
原稿作成にはAdobe Illustrator等のツールを使い、A4判の原稿サイズの中心に282x121mm*1の枠を作り、その中に収まるようにジャケットをデザインしましょう。
参考までに、当サークルが作成した入稿データがこちらです。
取扱説明書
PPプラケース(前述)に収納できる取扱説明書のサイズは、最大で120x120mmです。
このサイズの冊子は一般的に「CDジャケット冊子」と呼ばれ、多くの印刷所でも中綴じ冊子のラインナップに用意されています。但し、中綴じ冊子はコストが嵩むので、コストを下げたい場合は自分で製本することをお薦めします。
注文時は「A4判/コート紙/90kg/両面フルカラー」を選択しましょう。
原稿作成時は、次のように面付けしてください。
また、この冊子の寸法は120mmに収まるようにカットをするので、中心部から120mmより外側には文字や絵を入れないように気を付けて下さい。
製本の手順は次のとおりです。
- カッター等でP8・P1とP6・P3に裁断する
- 裁断した上下一組を重ねて半分に折り目を入れる
- 折り目に合わせてホッチキスで止める*2
- 横の寸法が120mmに収まるようにカッター等で裁断する
定規とカッターナイフでも裁断はできるのですが、ディスクカッターを使うと作業効率が段違いに改善できます。
当サークルでは、カール事務器様のディスクカッターと、PLUSの「ハンブンコ」というスライドカッターを併用しております。ハンブンコは、名前の通り用紙サイズを半分に裁断するためのものです。折り目も裁断する目印も不要で、真ん中から裁断できるので、手間が省けて非常に便利です。
シール
当サークルでは、「CELIA for X68000」の頃からシールはステッカージャパン様に印刷をお願いしております。
注文時は「ステッカー/アート紙/グロスコート/普通粘着/トムソン断裁/四角形(角丸)」で、サイズは使用するSDカードに合わせて調整してください。
SDカード(SDHCカード)
SDカードは、当然ながらX68000Zで動作するものを選びましょう。
動作するか不安な場合は、まず数枚だけ購入してX68000Zで動作確認をしてみてください。
ノーブランドや聞き覚えのないメーカーのSDカードは、ロットによって中身が変わってしまう可能性があるので、可能な限り信頼できるメーカーのSDカードを使いましょう。
以前は1GB未満の格安なSDカードが沢山流通していましたが、現在は最低でも4GB以上ですし、なにより32GB未満のSDカードの価格は容量とは比例していませんので、低容量に拘るのは時間の無駄になりますのでお薦めしません。
当サークルがmicroSDカードを使わない理由
近年は、microSDカードが主流になった影響なのか、メーカーは次々とフルサイズのSDカードの生産終了を発表しています。しかし、当サークルではmicroSDカードを使用せず、フルサイズのSDカードを採用しています。これには2つの理由があります。それは、「見た目」と「偽造防止」です。
見た目
変換アダプタが付属するmicroSDカードもありますが、ラベルシールを変換アダプタに貼ると不格好な仕上がりになってしまいます。
また、microSDカードの表面積が小さすぎるのと、変換アダプタの内部でラベルシールが剥がれてしまうリスクがあるため、ラベルシールを貼ることができません。
偽造防止
前述の理由によりmicroSDカードにラベルシールを貼れないため、microSDカードは自分のサークルが出荷した製品に同梱していたメディアなのか、それとも全く別のメディアなのか見分けがつきません。そのため、即売会の会場でmicroSDカードだけ持参されて「動かなかったので交換して下さい」と言われても、それが本物なのか偽造品かどうかを見分ける術がありません。
少なくともSDカードにラベルシールを貼ってある状態であれば、それが偽造品である可能性は限りなく低く、且つオリジナルのSDカードからラベルシールを剥がして貼り直してまで偽造するメリットはありません。
さいごに
かつてX68000用同人ソフトを頒布していたサークルの皆様、同人ソフトを復刻して一緒にX68000Zを盛り上げましょう!
あと、手前味噌ですが、当サークルの同人ソフト「CELIAおかわりっ!for X68000Z」もよろしくお願いいたします。