B-Cat Software BLOG

サークルの事とか同人活動全般の事とか諸々。

CELIAについて

最初のブログエントリは、CELIAについて書こうと思います。

初代CELIAの誕生

初代CELIAは、X68000ではなくPC-8801mkIISR用として1989年に誕生しました。
スクリーンショットを見ていただければお分かりかと思いますが、ゲーム内容は現在のCELIA(CELIA for X68000 / CELIAおかわりっ!)と全く同じですし、主人公(セリア)のトレードマークである大きなリボンもこの頃から変わっていません。

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クリアしたゲームを毎日1本レビューのTwitterイラスト検索結果(古い順)。

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CELIA for PC-8801mkIISR

初代CELIAの開発における担当は次の通りです。

  • ゲームデザイン → MA-X
  • プログラム → MA-X
  • BGM / SE → MA-X
  • ドット絵 → MA-X
  • CG(原画/彩色) → Lim. (高校の後輩)
  • ステージデザイン → サークルメンバー全員

X68000版でもそうですが、相変わらずほぼ私(MA-X)の担当ばかりです。

ステージのデザインについては、ほぼ全員が参加しています。各自がステージエディタで作った自信作を持ち寄り、皆んなでプレイし、作者の目の前で想定外の最短手順でクリアしてみせ、更に難しくして…という工程を経て、その成果物を組み込みました。
そんな作り方をしていたせいで、初代CELIAのステージはどれも難易度が非常に高いのです。

当時購入して下さった方々、そしてBOOTHで購入して下さった方々に謝罪致します。
難しすぎて本当にごめんなさい。
そして、全てクリア可能である事は保証致します。
頑張ってクリアしてください。

b-cat.booth.pm

ゲームデザインについて

ゲームのコンセプトデザインは、私が小学生の頃から愛して止まないペンゴチクタクバンバンがベースになっています。

f:id:bcatsoftware:20201230011158p:plainAmazon | パズルでゲーム チクタクバンバン | アクションゲーム | おもちゃ

ペンゴのダイヤモンドブロックを並べてボーナスを得ようとすると必ず求められる倉庫番にも似たパズル性が好きだったので、純粋なパズルゲームとしてアレンジできないか考えていました。その時、チクタクバンバンを偶然思い出して「ブロックの上にレールを敷けばいいのでは?」という発想に辿り着きました。

また、レールの上を辿るプレイヤーではない第三者チクタクバンバンにおける「レールの上を動くベル」)を登場させる必要があったため、「レールから落ちると砕けて失敗(ミス)になる」という理由付けもあって水晶玉を登場させました。

ゲームのコンセプトデザインがほぼ固まったので、ある程度の段階で試作品を開発しましたが、パズルゲームとしての奥の深さを感じる事ができませんでした。そこで、氷のブロックの他に木のブロック(一歩ずつ押せる)と岩のブロック(押せない)を追加しました。これによって、パズルゲームとしての完成度は一気に高まりました。

しかし、この段階ではペンゴ倉庫番との差別化がまだ弱い(詰む条件が倉庫番と大差無い)と感じていたので、落とし穴(ブロックで埋めると相殺される)のフィーチャーを追加しました。これによって、主人公の移動を妨げていた落とし穴を消したり、水晶玉のルート上にある落とし穴を消したり、といったブロックの使い方の戦略性を生み出す事ができました。

ペンゴには存在しない「ブロック上の溝」というフィーチャーと、チクタクバンバンには存在しない「プレイヤー」という存在とブロックへの干渉手段(プレイヤーを移動させてブロックを押して動かす)、この2つを化学反応させた事によって、CELIAのゲームデザインは産まれました。

チクタクバンバンとの相違点

「所詮チクタクバンバンでしょ?」と時々言われるのですが、その意見について「NO」だと断言できる理由があります。

チクタクバンバンとCELIAではプレイヤーの立場が大きく異なります。
前者はゲーム盤を見下ろす「神」であるのに対し、後者はその世界の中にいる「ひとりの登場人物」なのです。前者はプレイヤーが自由にパネルを動かせるのに対し、後者はプレイヤーをその場まで移動させないとブロックを動かす事ができません。

CELIAでは、水晶玉のルートを確保するだけではなく、動かしたいブロックのある場所までプレイヤーを移動させるための手段を考える必要に迫られるため、ペンゴ(または倉庫番)にもチクタクバンバンにも無かった戦略性が求められるパズルゲームになったのです。

初代CELIAでの挫折

初代CELIAを作った当時、まだオールマシン語でゲームを開発した経験がありませんでした。そのため、メインプログラムだけはBASICで記述していました(画面描画と音楽/SEはマシン語で制御)。

BASICで記述していたとはいえ可能な限りチューンしていたのですが、それでも安定した処理速度を実現できなかったため、かなり操作性に難がありました。

 当時、ソフトにアンケート用紙を同梱して頒布していたのですが、回答を返送してくれたユーザーの皆様からの意見はほぼ全て「面白いけど操作性に難あり」でした。

現在でもゲームデザインを変更していない事からもお分かり頂けるように、CELIAのゲームデザインについては強い自信を持っていました。しかし、技術力不足によってそれを台無しにしている事が悔しくてたまりませんでした。

「いつかスプライトを搭載したマシン上でCELIAをリメイクする」

そう心に誓いました。

CELIA for X68000誕生のきっかけ

CELIA for X6800誕生のきっかけは転職でした。
最初に就職したゲームメーカーを退職した後、諸々の理由からゲーム業界で働くモチベーションを完全に失い、転職活動もしていませんでした。

「このままでは駄目だ」と自分を鼓舞するために、2ヶ月間という開発期間を設定し、草の根BBS専用機になっていたX68000を使ってCELIAを移植する事にしました。

実は、この時点でX68000のハードウェア仕様どころかMC68000マシン語さえも全く知識がありませんでしたので、慌てて次の3冊の書籍を購入しました。

68000 PROGRAMMER'S HAND BOOK プログラマーズ・ハンドブック 宍倉幸則 著 技術評論社 の落札情報詳細|  ヤフオク落札価格情報 オークフリー・スマートフォン版プログラマーのためのX68000環境(エンバイロメント)ハンドブック | 正敏, 吉沢, 昌文, 市原 |本 | 通販 | AmazonInside X68000 桑野雅彦 : 桑野雅彦 : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet  Archive

仕事柄、新しいプラットフォームのドキュメントを読んで理解する事には慣れていたので、この時は不安は全くありませんでした。そして、CELIAのメインプログラムが完成したのは、これらの書籍を購入してから約2週間後でした。

短期間でメインプログラムを完成できた勝因は、スーパーファミコンのゲームを開発していた時の知識と技術をそのままX68000に転用できた事が大きく影響しています。

PCGがスプライトとBG共通で256個までしか定義できないというX68000の制限を回避するためにDMAでPCGを書き換えたり、スプライト表示をオブジェクト(登場キャラクタ)単位で管理する仕組みを作ったり、ゲームのシーン切り替えを容易に実現するためにシーン管理のフレームワークを作ったり…これらは全てスーパーファミコン用ゲームの開発で学んだ知識でした。

加藤マユミさんとの出会い

当時、テクノポリスの読者コーナーに投稿されていたP.N. 「天ぷる油っ子」さんのイラストが本当に可愛くて気に入っていました。CELIA for X68000のCG原画と印刷物のイラストを是非お願いしたいと考えていましたが、当時は読者同士でコンタクトを取る手段などありませんでした。

居ても立っても居られず悶々としていたある日、テクノポリス誌上で同人ソフトサークルのスタッフをマッチングするためのコーナーが始まりました。そして、そこに天ぷる油っ子さんの名前を見つけました。
その日のうちに便箋と封筒を買ってきて、徹夜で思いの丈を手紙に書き綴り、ポストに投函しました。正確には憶えていませんが、たしか便箋5枚くらいにビッシリと書いたような気がします。 

その天ぷる油っ子さんこそが、現在漫画家として活躍しており「やせっぽちとふとっちょ」や「ある幼なじみが結婚するまでの話」などを執筆した加藤マユミさんです。

hb.afl.rakuten.co.jp

hb.afl.rakuten.co.jp

初代CELIAの雪辱を果たしたX68000

初代CELIAで抱いていた不満点は、CELIA for X68000で雪辱を果たすことができました。
ようやくイメージしていたCELIAを形にすることができたと思っています。

主な改善点は次のとおりです。

お陰様で、ソフトベンダーTAKERUソフマップの同人専門フロアで取り扱って頂けただけでなく、Oh!X 1995年12月号(月刊誌としての最終号)のTAKERUで買える同人ゲーム特集においても好評価なレビューを書いて頂けました。

画像

 


CELIA for X68000


CELIAおかわりっ!

 偶然の出会いから再販まで

現在、BEEP秋葉原さんにてCELIA for X68000およびCELIAおかわりっ!を取り扱い頂いていますが、再販のきっかけはTwitterでした。1993年に頒布したCELIA for X68000を購入して下さったフォロワーが偶然にも数名いた事が判明したのです。そして彼等から「折角だから再販してみたら?」と背中を押された事がきっかけで、2015年5月4日の第3回マイコン・インフィニット☆PRO-68Kにて再販しました。
その後、BEEPさんからオファーを頂き、2016年からBEEPさんでの取り扱いが始まりました。

www.beep-shop.com

www.beep-shop.com

更に、その様子をAKIBA PC Hotline!で2度も取り上げていただきました。

akiba-pc.watch.impress.co.jp

akiba-pc.watch.impress.co.jp

まだまだCELIAは進化する

いざX68000版を作ってみると、まだ満足できていない所が次々と出てきます。
1993年に開発してから27年も経っているので、改善したい所は山程あります。

今後のCELIAで改善を予定している要素は次のとおりです。

  • ステージ開始時の水晶玉の方向選択を視覚化
  • ブロック同士が衝突した時の演出用パーティクル
  • 水晶玉がバウンドして方向転換する時の演出用パーティクル
  • 手の不自由な方でも片手で遊べる「One-hand Mode」
  • ストーリーのあるデモシーン(CGまたはキャラクタ)
  • 最短手数を競う「詰めセリア」機能
  • ステージエディタ機能

 これらは実現したい優先度の順に並べており、幾つかの要素は次回作(CELIA for MSX2)にて実装を予定しています。

CELIA for MSX2が完成した暁には、家庭用ゲーム機への移植を目指した準備とアクションを進めていく予定です。

これからもCELIAの究極進化系を目指して頑張りますので、ご声援のほどよろしくお願い申し上げます。